NPLとは「National Pickleball League(ナショナル・ピックルボール・リーグ)」の略称で、50歳以上の選手を対象としたピックルボールのプロリーグです。
2022年にアメリカで設立され、50歳以上向けのプロリーグとしては史上初の存在となっています。
ピックルボール界で豊富な経験を持つシニア世代のトップ選手たちが中心となり、「年齢は決して壁にならない」という理念のもと発足しました。

NPLの目的はピックルボール競技の発展と、シニア世代のウェルネス(健康促進や交流)の推進にあります✨️


ピックルボールの「NPL」とは?
NPLは全米各地の都市を拠点とするチーム対抗形式のリーグです。
各チームは都市名を冠し、選手たちは所属チームの代表として年間チャンピオンのタイトルを目指して戦います。



試合は週末に集中開催され、シーズン最後にチャンピオンシップ(決勝大会)が行われる仕組みです。
リーグ戦を通じて競技力向上とスポーツマンシップの発揮が奨励されており、競技を楽しむファンのコミュニティ形成にも力を入れています。



このリーグがユニークなのは、トップレベルのシニア選手にプロ競技の場を提供している点です。
多くの選手が「50歳を超えても競技への情熱を追求できる」ことをNPLで実感しており、実際にピックルボールを通じて心身の健康を維持したり、新たな目標にチャレンジしたりしています。
NPLはそうしたシニア世代の夢の舞台となることを目指し、ファンにとっても年齢に関係なく楽しめるエキサイティングな試合を提供しています。



現在、アメリカ各地に12以上のチームが存在し、180名以上のプロ選手が所属しています。



リーグ創設からわずか数年でこの規模まで成長しており、ピックルボール界で注目を集める存在となっています♪




ピックルボールの「NPL」の歴史



ピックルボールのNPLのこれまでの歩みを年代順に振り返ってみましょう。
2022年にNPL設立
当時シニアのトッププレーヤーであったリック・ウィツケンやベス・ベラミー、そして実業家のマイケル・“ハンマーマイク”・チェンやトム・デカプリオらが中心となり、フロリダ州を拠点にリーグが立ち上げられました。



50歳以上の選手にもプロとして活躍し続けられる場を作りたいという背景から、この年にNPLが正式に発足しました。
2023年に初のNPLシーズン大会開幕
4月にはドラフト(選手選抜会議)が行われ、全国から選ばれた6つのチームのロースター(選手名簿)が決定しました。



シーズン戦は6月から9月にかけて週末毎に開催され、10月にはアリゾナ州グレンデールで初のチャンピオンシップ大会が実施されました。
賞金総額10万ドルを懸けたこの決勝大会では、インディ・ドライバーズ(インディアナ州)が初代チャンピオンの座に輝いています。
また、この年NPLは全米ピックルボール協会(USA Pickleball)から公式リーグとして認可を受けました。
協会公認となったことでリーグの信頼性が高まり、公平で競技性の高い運営が行われる礎が築かれました。


2024年にNPLはさらにリーグ拡大



NPLは好評だった初年度を経て、シーズン2年目に参加チーム数を12に倍増させました。
新規参入チームにはヒューストン・ハンマーズ(テキサス州)やコーチェラバレー・スコーピオンズ(カリフォルニア州)などが加わり、後者のチームは俳優のヴィンス・ボーンが共同オーナーを務めたことでも話題となりました。
2024年シーズンの最終戦となるチャンピオンシップは10月17~20日にオハイオ州シンシナティ近郊で開催され、賞金総額も15万ドルに増額されています。



前年優勝チームのインディ・ドライバーズはタイトル防衛に挑む立場で大会に臨みました。
さらに、この年NPLは大手スポーツテレビ局CBSスポーツと提携し、1月末には前年のチャンピオンシップの模様が全米放送されました。



これはリーグにとって大きなマイルストーンであり、テレビ露出によってNPLの存在がより広い層に知られるきっかけとなりました。
2025年のNPLはまだ成長中?
NPLは引き続き急成長を遂げており、2025年シーズンに向けて新チームを2~4つ追加する構想を発表しました。
実現すればチーム数は14以上に増える見込みで、全米規模のチャンピオンズプロリーグとして一層の存在感を示すことになります。



このようにNPLは毎年規模と注目度を増しており、シニア世代のプロスポーツの新たな可能性を切り開くリーグとして発展を続けています。




NPLの運営体制と組織
NPLはNational Pickleball League, LLCという企業組織によって運営されています。
創設メンバーには前述のリック・ウィツケンやベス・ベラミーといったチャンピオンズプロ(50歳以上プロ)選手のほか、マイケル・チェンやトム・デカプリオなどビジネス分野の人物も名を連ねており、競技経験と経営ノウハウの双方を取り入れた体制になっています。
リーグの経営トップ(代表者)にはCEO(最高経営責任者)兼理事長のロッド・デイビス氏が就任し、コミッショナー(競技統括責任者)としてスチュ・アップソン氏がリーグ運営を指揮しています。



このように専門スタッフと創設者たちが協力し、リーグを円滑に運営しています。
各チームはフランチャイズ制でそれぞれ独立したオーナーによって所有・運営されています。
リーグの取締役会にはチームオーナーの代表者が名を連ねており、例えばカンザスシティ・スティンガーズやコーチェラバレー・スコーピオンズのオーナー代表がボードメンバーとして参加しています。
著名人の関与もみられ、コーチェラバレー・スコーピオンズはNPL選手のキム・ジャグドとハリウッド俳優のヴィンス・ボーンが共同オーナーを務めています。
また、デンバー・アイコニクスには元NFLクォーターバック(ハイズマン賞受賞者)のダニー・ワーフェルがプロ選手として参加するなど、各界から注目が集まっています。



こうしたオーナーや著名選手の存在により、リーグ運営には多様な視点と支援がもたらされています。
NPLの運営方針
NPLの運営方針は、公平で質の高い競技環境の提供とコミュニティの発展に重点があります。
USAピックルボール協会による公式認可リーグであるため、競技ルールや運営基準は厳格に守られており、公平性と高いプロ意識が徹底されています。
試合は全て前述のように屋内コートで開催され、天候による中断リスクを排除する工夫がされています。
また「ピックルボールを通じて地域社会を活性化し、選手・ファンの心身の健康に寄与する」というミッションを掲げ、スポーツマンシップや仲間意識を育むリーグ文化を大切にしています。
総じてNPLは、シニア世代のプレイヤーが輝ける舞台を提供しつつ、ピックルボール競技全体の発展と普及に貢献することを目指した運営体制を整えています。





