ピックルボールパドルのコア素材とは?
ピックルボールパドルのコア(内部)素材とは、2つのフェイス(表面)に挟まれた中身の素材を指します。


このコア素材がパドルの構造を支え、ボールを打ったときのエネルギー伝達に大きく影響します。
フェイス素材(グラスファイバーやカーボンなど)は主にスピン量や打感に寄与しますが、コア素材はパワーやコントロール、打球音、フィーリングを左右する重要な要素です。




では、ピックルボールパドルのコア素材にはどんな種類があり、それぞれどんな特徴があるのでしょうか?
ピックルボール初心者の方にもわかるように、簡単な言葉でわかりやすく解説していきます。
ピックルボールパドルのコア素材の種類



ピックルボールパドルの内部に使われるコア素材には、さまざまな種類があります。
- ポリマーコア(ポリプロピレン/PP) – 現在最も一般的なプラスチック製ハニカムコア
- ノーメックスコア – アラミド繊維(紙状素材)製の硬質ハニカムコア
- アルミニウムコア – 金属製のハニカムコア
- 発泡ポリプロピレンコア(EPP) – ポリプロピレン素材を発泡させたフォームコア
- エチレン酢酸ビニルコア(EVA) – EVA樹脂製のフォームコア
- ポリメタクリミドコア(PMI) – ポリメタクリルイミド樹脂製のフォームコア
- カーボンコア – 炭素繊維チューブで構成された最新技術のコア(SSTコア)


ポリマーコア(Polymer Core/ポリプロピレン)
ポリマーコア(Polymer Core)は、現在もっとも広く使われている代表的なコア素材です。
主にポリプロピレン(通称:PP)のプラスチック製ハニカム構造で作られており、海外では一般的に「Poly Core(ポリコア)」などと呼ばれます。



ハニカム状の大きめのセル(蜂の巣)構造により軽量化しつつ、素材自体は適度に柔軟で衝撃吸収性があるのが特徴です。
打球時のフィーリングはソフトで打球音が静かであり、コントロール性能に優れています。
実際、ポリマーコアは他のコア素材に比べて打球音が静かなので、住宅街のコートでも使いやすいと言われます。



性能面ではパワーとコントロールのバランスが良く、非常に扱いやすい点が利点です。
ノーメックスコアほどの硬い反発力(パワー)はないものの、その分ボールタッチの柔らかさや安定したコントロール性があります。
また、適度なしなり(しなやかさ)があることで振動も抑えられ、手や肘への衝撃が少ない傾向があります。



耐久性も比較的高く、強度と柔軟性を兼ね備えているため長持ちしやすいとも言われます。
各メーカーによってハニカムセルの大きさや密度には違いがあり、小さなセルほど硬めでパワー寄り・耐久性高め、逆に大きなセルはより柔らかでコントロール性が高い反面、経年使用でデッドスポット(特定箇所で弾まなくなる現象)が生じやすいともされています。





ポリマーコアは現在のピックルボールパドルで最も一般的な素材であり、多くの初心者向けパドルに採用されています。



「どのコア素材が良いか迷ったら、まずポリマーコアを選べ」と言われるほど定番の選択肢で、軽量・静音でソフトな打感のポリマーコアはミスヒットを吸収してくれる寛容さも持ち合わせています。
オールラウンドな性能を持つため、初めての一本にも最適なコア素材と言えるでしょう。


ノーメックスコア(Nomex Core)
ノーメックスコア(Nomex Core)は、ピックルボール用の高性能パドルに初めて採用された歴史あるコア素材です。
デュポン社が開発した耐熱性のあるアラミド繊維「Nomex」を紙のようにシート状にしてハニカム構造に成型し、樹脂コーティングして硬化させたものになります。
一見厚紙の蜂の巣のような見た目ですが非常に硬くて丈夫であり、軽量なのに高い剛性を持つ点が特徴です。
そのため反発力(パワー)が非常に強く、ボールに力を伝えやすいコアとして知られています。



ノーメックスコア搭載パドルでボールをヒットすると、「バコーン!」という甲高い打球音とともに驚くほど強いボールを飛ばすことができます。



この高いパワーと反発性能こそノーメックスの最大の利点であり、アグレッシブなプレーやスマッシュを多用する上級者に好まれる理由です。
また構造が硬質で耐久性も非常に高いため、長期間使用してもへたりにくいというメリットもあります。


一方で欠点も明確です。
まず音がかなり大きいため、住宅街のコートや静粛性を求める環境では敬遠されることがあります。
またコアが硬い分だけタッチショットでの繊細さはポリマーほどではなく、ソフトなドロップや緩いボレーのコントロールは難しく感じるかもしれません。
反発が強いゆえに、自分の力加減を間違えるとボールが飛びすぎてアウトになりやすく、扱いにはある程度の慣れとコントロール技術が必要です。
そのためノーメックスコアは初心者にはあまり一般的ではなく、まずはポリマーコアでコントロールを身に着けてから検討する上級者向けという位置づけになります。
ただし、使いこなせば速い展開や強打を武器にできる頼もしいコアであり、経験豊富な攻撃型プレーヤーに今も支持されています。


アルミニウムコア(Aluminium Core)
アルミニウムコア(Aluminium Core)は、その名の通りアルミ素材でできたハニカム構造のコアです。
構造自体はポリマーやノーメックスと同様に蜂の巣状ですが、素材が金属のアルミニウムとなっています。



アルミは非常に軽いため、アルミコアパドルは全体的に軽量で操作しやすいのが特徴です。
特に手首や肘への負担を減らすためにパドルを軽くしたい人には適しています。
また打球時のコントロール性能が高く、繊細なタッチショットやネット際での素早い操作がしやすいとされています。
しかしアルミコアは反発力(パワー)が控えめで、ボールを強く飛ばすにはあまり向いていません。
打球感としては柔らかくマイルドですが、その分「弾かない」感じがあり、鋭いドライブやスマッシュでは物足りなさを感じるプレーヤーもいます。
コントロール重視のプレーヤーやゆっくりしたラリーを好む人にはメリットですが、スピードと強打で圧倒したい人には不向きでしょう。
加えて物理的な耐久面では、アルミは金属疲労や変形の可能性があります。
他のコアに比べ強い衝撃で凹み(へこみ)やすいとも言われ、長期間ハードに使うと蜂の巣構造が歪んでしまうこともあるようです。



たしかに、近年主流から外れているため見かける機会は減っていますね
発泡ポリプロピレンコア(EPP Core)
発泡ポリプロピレンコア(Expanded Polypropylene Core)、通称 EPPコア は、近年登場したフォームコア素材の一つです。
素材自体は先述のポリマーコアと同じポリプロピレン樹脂ですが、ハニカム状ではなく無数の発泡ビーズを融合させた硬質フォーム(発泡体)でコアを形成しています。
このEPPフォームは「ビーズ法発泡PP」とも呼ばれ、同じPP素材でもフォーム状にすることで従来のハニカムコアとは異なる性質を引き出しています。
EPPコア最大の利点は耐久性の高さとコントロール性能の向上です。
発泡体コア(フォームコア)はハニカムコアの弱点である経年劣化(使い込むうちにハニカムが潰れて反発力が落ちる現象)を克服しやすく、内部が徐々に凹んでデッドスポットが生じるといった問題が起きにくいと期待されています。
実際、EPPコアは閉じたセル構造により潰れや圧縮に強く、パドルの弾きの良さ(反発性能)が長期間持続しやすいと報告されています。



蜂の巣の空洞がない分、パドル全面で比較的一定の反発が得られスイートスポットが広いこともメリットです。



どこに当てても安定した打球感が得られるため、ミスヒット時でも安定しやすくなります。


また、EPPフォーム自体が適度な弾性を持ち衝撃吸収性に優れるため、打球時のビリビリとした嫌な振動が少なく腕や肘に優しいフィーリングを実現しています。
打球時にボールがパドルに乗るホールド感(ボール滞留時間)が増し、コントロール性が向上する点も特筆すべき特徴です。
実際、「EPPコアはパワーとコントロールのバランスの取れた次世代コアで、従来のPPハニカムに比べて振動吸収と操作性が優れる」と評価する声もあります。
代表的なEPPコア採用モデルとしては、Diadem社のBluCoreシリーズやHelios社の各種パドルが挙げられます。
これらは従来のハニカムに代わるフルフォーム構造で、プロ選手や上級者にも通用する性能を発揮しています。


EPPコアは重量も比較的軽量に抑えられるため、操作性と反応の良さにも優れています。
総合的に見て、EPPコアは高いコントロール性と十分なパワーを両立した次世代型と言えるでしょう。



同じフォーム系でも後述のEVAとは性質が異なり、耐久面でも有利な点が多いです。
エチレン酢酸ビニルコア(EVA Core)
エチレン酢酸ビニルコア(Ethylene-Vinyl Acetate Core)、通称 EVAコア は、フォーム系コア素材の中でも非常に柔軟でソフトな特性を持つタイプです。
EVA樹脂はスポンジのような弾力のある素材で、クッション性と衝撃吸収性が極めて高いため、EVAコアを採用したパドルは打球時のフィーリングがとても柔らかくマイルドになります。



ボールを打った際の「手に残る振動」や「衝撃音」が大幅に軽減され、耳に優しい独特の静かな打球音を実現できる点も特徴です。
こうした特性から、EVAコアパドルは腕や肘への負担を極力抑えたいプレーヤーや、騒音を抑えてプレーしたい環境で重宝されています。



インパクト時のショックが小さく、長時間のプレーでも疲労や関節への負担を軽減できるため、テニス肘などに悩む人にもメリットが大きいです♪
また、ソフトな打感のおかげでボールコントロールもしやすく、特にドロップやデリケートなタッチショットで優れたフィーリングを発揮します。


一方で、EVAコアには課題もあります。
素材が柔らかすぎるためにコア自体の剛性が低く、パドル内部の構造維持が難しいという点です。
そのままでは形状保持や反発力の面で不利になるため、実際の製品ではカーボンリブ(骨組み)やその他の補強材と組み合わせてコアを構成する場合が多くなっています。
例えばRonbus社のRippleシリーズでは、EVAフォームコアにカーボンインサートを組み込んで剛性を確保する設計が採用されています。


また、素材が柔らかいぶん経年によるヘタリ(圧縮疲労)も起きやすいとされ、使い込むと弾きの良さが少しずつ失われていく可能性があります。
以上のように、EVAコアはフォームコアならではの快適な打感と静音性を極めた素材ですが、その性能を十分に活かすには構造上の工夫が必要であり、耐久性の面では課題が残ります。
ただし近年、各メーカーがEVAフォームと他素材を組み合わせたハイブリッド構造で弱点を補う工夫を始めており、Diadem社の「Vice」など今後の発展が期待されるモデルも登場しています。


総じてEVAコアはフィーリング最優先のソフト志向プレーヤーに魅力的な選択肢ですが、本格的に普及するかどうかは改良の進展次第と言えるでしょう。
ポリメタクリミドコア(PMI Core)
ポリメタクリミドコア(Polymethacrylimide Core)、通称 PMIコア は、発泡体コア素材の中でも極めて高密度かつ硬質な特性を持つタイプです。
PMI(ポリメタクリルイミド)は航空宇宙分野でも使われる高性能フォームで、細かな閉セル構造と高い剛性を備えています。



ピックルボール界ではアディダス社の初期MetalboneシリーズでPMIフォームコアが採用され注目を集めました💡


PMIコアは化学発泡法で作られるブローンフォーム(発泡剤で膨らませた発泡体)であり、EPPのようなビーズ法ではありません。
その結果、フォーム自体が非常に高密度で硬く仕上がっており、コア全体が頑丈に固まった構造になっています。
PMIコアを搭載したパドルの特徴は、なんといっても卓越した剛性による強い反発力です。
素材自体が硬いためインパクト時にたわみが少なく、ボールにエネルギーをしっかり伝えることができます。
いわばノーメックスコアに匹敵する高いパワーを持つフォームコアと言えるでしょう。
また、温度変化にも比較的強く、高温下でも性能変化が少ない安定した素材とされています(耐熱性はアラミド系のNomexにも通じる利点です)。
しかし、その反面打球フィールは硬く「カン高い」感触になりやすい点に注意が必要です。



PMIコアのパドルを打った際、「金属的で甲高い打球音」がすると評されることがあります。
振動吸収性もフォーム素材の割にはあまり高くなく、衝撃の手応えが直接手に返ってくる傾向があります。
つまりパワー重視だがフィーリングは硬めで、EVAコアのような柔らかさやポリマーコアのようなマイルドさは期待できません。
また、高密度ゆえにコア重量も増しやすいため、パドル全体がやや重たくなる可能性もあります。
それでも、「より強いパワーと高剛性による一貫した打球性能を求めるプレーヤー」にとってPMIコアは魅力的な選択肢です。
特にハードヒッターや攻撃的なプレースタイルの上級者には、フォームコアでありながら妥協のない反発力を提供してくれるでしょう。
現時点ではPMIコアパドルの選択肢は多くありませんが、今後フォームコア技術が進歩していけば、他メーカーからも類似の高剛性フォームコアモデルが登場する可能性があります。
耐久性に関しては、フォーム構造なのでハニカムクラッシュの心配は少ないものの、接着や構造維持の難しさは他のフォームコア同様に課題です。
総合的に、PMIコアはパワー最優先で妥協しない上級者向けの尖った素材と言えるでしょう。
カーボンコア(SSTコア)
カーボンコアは、炭素繊維(カーボンファイバー)で構成された最新タイプのコアです。
ギアボックス(Gearbox)社が開発した「SST(Solid Span Technology)」コアに代表されるように、従来のハニカムコアとは異なり垂直に並べた無数のカーボンチューブで内部構造を形成しています。
いわばパドル内部が全てカーボン素材の骨組みでできており、強度と一体感が非常に高いのが特徴です。


そのため打球時の反発がどの地点でも極めて一貫していて、バラつきが少ないとされています。
さらにカーボン自体が振動をよく吸収する素材であるため、インパクト時の振動が極めて少なく滑らかな打ち心地を実現します。
高度な素材と製造技術を要するためパドル自体が高価で、一般に流通しているモデルも限られています。
また従来のハニカムコアとはフィーリングが異なるため、慣れるまでに時間がかかる場合があります。



球離れがスムーズすぎて最初は物足りなく感じる人もいるようです。
とはいえ、その性能ゆえに競技志向のプレーヤーには徐々に注目され始めており、特に振動の少なさやコントロール性能を重視する人に評価されています。
まだ市場では少数派ですが、最先端のプレミアムコア素材として今後の動向に注目です。






ピックルボールパドルのコア素材の選び方
これまで紹介したように、コア素材によってピックルボールパドルの性能やフィーリングはかなり変わります。
初心者が自分に合ったコア素材を選ぶ際には、重視したいポイントに照らし合わせて考えることが大切です。



以下に、ピックルボールパドルのコア素材選びの観点とおすすめの素材をまとめます。
パドル選びでパワーを重視するなら
反発力の高いノーメックスコアが有力候補です。
硬質で強い弾きを持つノーメックスは、スマッシュやドライブなど攻撃的なショットで威力を発揮します。



フェイス(表面)素材ではガラス繊維(ファイバーグラス)のフェイスがボールの弾きを助けるのでパワー志向に向いています。


次いで、PMIコアなど高剛性フォームもパワー面では注目です。
フォーム特有の一貫した反発と高い剛性により、強打時にしっかりエネルギーを伝えてくれます。
ただしパワーがありすぎてコントロールを失いやすい面もあるため、扱いきれないと感じたら他の素材に切り替える柔軟さも必要です。
パドル選びでコントロールを重視するなら
バランスが良く扱いやすいポリマーコアが最適です。
ソフトな打感と静かな打球音でミスも吸収し、繊細なコントロールショットにも向いています。
さらにEPPコアもコントロール性能に優れる素材です。
柔軟なフォーム構造によりボールがフェイスに乗りやすく、ドロップやブロックなどで安定したタッチを得られます。


パドル選びで軽さを優先するなら
アルミニウムコアが候補になります。
アルミ素材のハニカム構造は非常に軽量で、パドル全体の重量を抑えやすいからです。



軽いパドルは操作性が高く、素早いボレーや取り回しを助けてくれます
打球音が静かなパドルを選ぶなら
ポリマーコアまたはフォームコア系(EVAコアやEPPコア)が良いでしょう。
ポリマーコアは現在主流の中で最も静音性が高く、住宅街でも使いやすい定番です。
フォームコアも総じて打球音が抑えられる傾向があり、特にEVAコアは非常にソフトな打感から独特の低い打球音を実現します。



夜間や音が響く環境でプレーするなら、これら静音性に優れた素材が適しています。


パドル選びで耐久性を重視するなら
フォームコア(EPPコアなど)やカーボンコアが注目です。
ハニカムコアは使い込むと徐々にセルが潰れて反発が落ちることがありますが、フォームコアは内部が潰れにくく長期間性能が維持しやすいとされています。



フォームコアの中でも特にEPPコアは圧縮に強く、長く使ってもコアが痩せにくいです。
カーボンコアも経年劣化が非常に少なく、頻繁にプレーする場合でも安定した性能を保ちやすい点で優れます。
高価ではありますが、長い目で見て品質が持続するパドルを求めるなら検討する価値があります。
パドル選びの予算が限られているなら
ポリマーコアのエントリーモデルが最も手頃でバランスが良いでしょう。
ポリマーコア採用パドルは低価格帯から高性能モデルまで幅広く展開されており、初心者向けの安価なものでも一定の性能が期待できます。
逆にノーメックスやフォーム、カーボンコア搭載モデルは高性能ですが価格も高めなので、初心者が最初から手を出す必要はありません。
最後に
この記事ではピックルボールパドルの「コア素材」ごとの特徴と選び方のポイントをまとめました。
それぞれの素材に長所短所がありますので、自身のプレースタイルや重視ポイントに合わせて最適なパドルを選んでみてください。



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