ピックルボールのディフューザーとは?資格を取得するメリットとデメリットも解説

ディフューザーとピックルボールと猫
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ピックルボールのディフューザーとは?

ピックルボールのディフューザーとは、一般社団法人日本ピックルボール協会(JPA)が定める指導者資格(講習会修了資格)の一つで、ピックルボール初心者への普及活動を担う役割を持つ資格です。

JPAではコーチライセンス制度に基づき指導者の養成を行っており、その中でディフューザーは最も入門的な位置づけにあります。

ピックルボールを始めたばかりの方や、競技についてもっと学びたい方向けに用意された講習会で、「ピックルボールはどんなスポーツか?」という基本説明やルール、プレーの基礎を学ぶカリキュラムが組まれており、講習修了時に修了証が発行されます。

このディフューザー資格は受講資格に特別な条件がなく、ピックルボールの経験が浅い人でも受講可能です(対象者の制限はありません)。

ピックルボールのディフューザーになるための料金や試験

講習時間は約2時間と比較的短時間で、受講料は協会の選手登録者・サポーター会員で3,300円、一般参加の場合は3,850円となっています。

講習内容は座学と実技を交えた基礎的なもので、ピックルボールのルール説明や基本的なプレー指導の方法、安全に教えるポイントなどが中心です。

試験は特になく、所定のプログラムを受講すれば修了となります。

修了後には協会から修了証が授与され、初心者に対してピックルボールのイロハ(基礎)を安全に伝えられる指導者であることが認められます。

ピックルボールのディフューザー資格後の活動

資格取得後、ディフューザーは地域やイベントで初心者向けの体験会・講習会をサポートしたり、ピックルボールの魅力を広めるアンバサダー的な役割を担います。

具体的には、企業や学校、地域クラブなどで「ピックルボールとは何か」を説明し、簡単なルールやプレー方法を教えることで、新たなプレーヤーづくりに貢献します。

なお、ディフューザー資格自体には更新制度はなく一度取得すれば有効ですが、この資格のみで有料の指導(コーチ業)を行うことは認められていません

あくまでボランティア的な立場で普及活動を行う資格であり、本格的にコーチとして収入を得て活動したい場合は、さらに上位の資格(後述するコーディネータースタートコーチ等)へステップアップしていく必要があります。

必要なスキルや知識として特別な高度技術は求められませんが、ピックルボールの基本ルールやマナー、簡単な戦術などは理解していることが望ましいでしょう。

また、初心者にスポーツの楽しさを伝えるコミュニケーション力や、安全に配慮して指導する心構えも重要です。

講習会の中でそうしたポイントが指南されるため、受講を通じて指導に必要な知識とスキルを身につけられるようになっています。

ピックルボールのディフューザー資格の認定プロセス

認定のプロセスはシンプルです。

日本ピックルボール協会(JPA)主催のディフューザー養成講習会に申し込み、所定の2時間講習を受講します。

内容は座学による競技紹介とルール説明、そして実技形式での基本プレー指導方法の体験などです。

講師は協会認定の上位指導者(例えばスタートコーチやマスタートレーナー)が務め、受講者は実際にラケットを握りながら指導の仕方を学びます。

全課程を修了すると修了証明書が発行され、その時点で晴れて「ディフューザー」として認定されます。

特に難しい試験はありませんので、リラックスして受講し基礎を楽しく学ぶことができるでしょう。

なお、ディフューザーの上位には「コーディネーター」という同じく普及を目的とした資格があり、こちらはプレー経験者を対象に4時間の講習で認定証が発行されるものです。

ディフューザー取得後、さらなる知識や指導法を学びたい場合にはコーディネーター講習会を受講してステップアップできます。その後はスタートコーチ・コーチ・マスタートレーナーといった指導者資格取得講座へと進む道が開けていきます。

まずは最初の一歩として、ディフューザー資格で基礎を固めることが、ピックルボール指導者への入口となるのです。

ピックルボールのディフューザーの資格を取得するメリット

ディフューザー資格を取得すると、プレイヤーとしてだけでなく「教える人」という新たな立場でピックルボールに関われるようになります。

そのことによって得られるメリットは多岐にわたります。

スポーツの普及や地域貢献ができる

ディフューザーとして活動する最大のメリットは、ピックルボールの普及に直接貢献できることです。

指導者はピックルボール競技の健全な成長に大きく寄与する存在であり、自分の地域で体験会や講習を開けば、新しい仲間を増やしてコミュニティの活性化に繋げることができます。

まだピックルボールを知らない人々に「こんな楽しいスポーツがあるんだよ!」と教えてあげられるのは、大きなやりがいです。

地域のスポーツイベントや学校の授業、企業のレクリエーションなどでピックルボールを紹介すれば、笑顔の輪が広がり、スポーツ振興や健康増進といった社会貢献にもなります。

コーチとしてのキャリアアップや副業の可能性

ディフューザー資格取得は、将来的にピックルボールコーチとしてキャリアを積むための第一歩でもあります。

JPAの資格制度ではディフューザー→コーディネーター→スタートコーチ→コーチ…と段階的にステップアップできます。

最初はボランティア的な活動でも、経験を重ね上位資格を取得すれば、公式イベントで指導したりコーチングで収入を得たりするチャンスが広がります。

実際、協会公認の指導者になれば公式大会やイベントでの指導が可能となり、指導者向けの研修やセミナーにも参加できます。

ゆくゆくは自分の教室を開いたり、副業としてピックルボールのレッスンを提供したりといった展開も夢ではありません。

「好きなスポーツを仕事につなげられる」可能性が生まれる点は、大きな魅力でしょう。

自身のスキル向上や人脈形成に役立つ

資格講習を受ける中で、ピックルボールのルールや基本技術を改めて体系的に学ぶことでプレーヤーとしての理解も深まります。

また、人に教えるスキル(指導方法や伝え方)を習得することで、自身のコミュニケーション能力向上にもつながります。

さらに、講習会やその後の指導活動を通じて人脈形成も期待できます。

講習会では全国各地から参加者が集まり、同じ志を持つ仲間や先輩コーチと知り合う貴重な機会です。

資格取得後も指導者向けの継続研修やセミナーに参加できるため、最新の知見を学びながらネットワークを広げられます。

そうした繋がりから情報交換が生まれ、新たなイベント企画や合同練習の機会が得られることもあります。

「教える立場になることで自分も成長できる」のが、ディフューザー資格を取る隠れたメリットと言えるでしょう。

ピックルボールのディフューザーの資格を取得するデメリット

ピックルボールのディフューザー資格を取得・活用するにあたって押さえておきたいデメリットや注意点もあります。

メリットばかりではなく、以下のような点も事前に理解しておきましょう。

取得までに費用や時間的コストがかかる

ディフューザー講習会は約2時間と短時間ですが、受講するには受講料や会場までの交通費、時間の確保といったコストが発生します。

受講料自体は比較的安価(会員3,300円・一般3,850円)ですが、日程を調整して会場に赴く必要があります。

忙しい社会人にとっては平日開催だと有休を取るなどの調整が要る場合もあるでしょう。

また資格取得後も指導活動をする際には、自分のプレー時間を割いて準備や指導にあたる必要があるため、時間的な負担が増えることになります。

金銭面・時間面の投資が必要な点は、一つのハードルと言えます。

指導活動に伴う責任やプレッシャーが生じる

資格を取得し「指導者」となることで、純粋な一プレイヤーでいたときには感じなかった責任感が生まれる場合があります。

協会も「指導者は競技の健全な成長に大きく貢献し、重要な役割を担っている」と述べており、自分もその一端を担うのだと思うと嬉しさと同時にプレッシャーを感じるかもしれません。

例えば、初心者に間違ったルールを教えないよう常に勉強しておく必要がありますし、指導中のケガ防止にも気を配らねばなりません。

地域によっては「有資格者だから」と期待されてイベント運営を任されることもあるでしょう。

そうした中でうまくやれるだろうかという不安を覚えることもあり得ます。

教える立場ゆえの責任と適度なプレッシャーは、指導者として成長する糧になりますが、ストレスにならないよう上手に向き合うことも大切です。

地域によっては活動機会が限られる可能性

ピックルボールは急速に世界で広まっているものの、日本国内での認知度はまだ低く、地域差があります。

都市部では競技人口やイベントも増えてきましたが、地方ではまだプレイヤー自体が少なく、ディフューザーとしてせっかく資格を取っても生かす場が少ないケースも考えられます。

指導したくても初心者が周りにいなかったり、講習会を開こうにも参加者が集まらなかったりすると、活動の機会が限られてしまいます。

また、協会主催の公式イベントが近隣で開催されないエリアでは、指導スタッフとして参加するチャンスも少ないでしょう。

その場合、自ら地元で普及イベントを企画したり、近隣の活発な地域と連携したりと主体的な働きかけが必要になるかもしれません。

資格を取っただけで満足せず、自分から機会を創出していく積極性が求められる点は、人によってはデメリットと感じられるでしょう。

最後に

ピックルボールのディフューザー資格は、「この楽しいスポーツをもっと広めたい!」という熱意を形にできる素晴らしいステップです。

初心者に寄り添い、その笑顔の瞬間に立ち会えるのは指導者冥利に尽きるものがあります。

もちろん資格取得には時間や労力も伴いますが、それ以上に得られる喜びや出会いがあなたを待っていることでしょう。

もし資格取得を検討しているなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。

ピックルボールは日本ではまだ始まったばかりのスポーツです。

だからこそ、あなたのような情熱を持った人が未来のピックルボールコミュニティを支える存在になれます。

ディフューザーとしての第一歩から始めて、ゆくゆくは更なる高みを目指すも良し、地元で末永く愛好者を増やすも良し。

あなた自身も楽しみながら、ピックルボールの魅力を広げていってください♪

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