ピックルボールの世界ランキング一覧(2025年版・DUPRベース)
2025年8月現在、DUPR(Dynamic Universal Pickleball Rating)が公開しているプロ部門のレーティングをもとに、各種目のトップ選手をまとめました。
ポイント制のツアー順位ではなく、試合内容まで加味した総合レートなので「いま誰が一番“強い”のか」を把握するのに最適です。
男子シングルスのピックルボール世界ランキングTOP 5
順位 | 選手 | 年齢 |
---|---|---|
1 | Federico Staksrud (フェデリコ・スタクスルード) | 29歳 |
2 | Hunter Johnson (ハンター・ジョンソン) | 31歳 |
3 | Ben Johns (ベン・ジョンズ) | 26歳 |
4 | Christian Alshon (クリスチャン・アルション) | 25歳 |
5 | Connor Garnett (コナー・ガーネット) | 28歳 |
女子シングルスのピックルボール世界ランキングTOP 5
順位 | 選手 | 年齢 |
---|---|---|
1 | Anna Leigh Waters (アナ・リー・ウォーターズ) | 18歳 |
2 | Kate Fahey (ケイト・フェイヒー) | 28歳 |
3 | Parris Todd (パリス・トッド) | 27歳 |
4 | Catherine Parenteau (キャサリン・パレントー) | 31歳 |
5 | Lea Jansen (レア・ヤンセン) | 32歳 |
男子ダブルスのピックルボール世界ランキングTOP 5
順位 | 選手 | 年齢 |
---|---|---|
1 | Ben Johns (ベン・ジョンズ) | 26歳 |
2 | JW Johnson (ジェイダブリュー・ジョンソン) | 23歳 |
3 | Andrei Daescu (アンドレイ・ダエスク) | 26歳 |
4 | Christian Alshon (クリスチャン・アルション) | 25歳 |
5 | Gabriel Tardio (ガブリエル・タルディオ) | 19歳 |
女子ダブルスのピックルボール世界ランキングTOP 5
順位 | 選手 | 年齢 |
---|---|---|
1 | Anna Leigh Waters (アナ・リー・ウォーターズ) | 18歳 |
2 | Anna Bright (アナ・ブライト) | 25歳 |
3 | Jorja Johnson (ジョルジャ・ジョンソン) | 18歳 |
4 | Hurricane Tyra Black (ハリケーン・タイラ・ブラック) | 24歳 |
5 | Rachel Rohrabacher (レイチェル・ローハバッカー) | 28歳 |
ミックスダブルスのピックルボール世界ランキングトップは?
DUPRは男女別カテゴリーのみ公開していますが、実戦での“最強ペア”は依然として Ben Johns(ベン・ジョンズ)/Anna Leigh Waters(アナ・リー・ウォーターズ)組。
2025年5月のPPA アトランタ・オープン決勝でも第4シードをストレートで下し金メダルを獲得し、シーズン勝率は約92%という驚異的な数字を叩き出しています。


正式なピックルボールの世界ランキングとは?
ピックルボールの世界ランキングとは、プロ選手の実績に基づいて「誰が世界で一番強いのか」を順位づけしたリストのことです。
テニスやゴルフのランキングと同様に、トーナメントでの成績に応じてポイントやスコアを与え、選手を強さ順に並べたものだとイメージしてください。
プロ選手には実際にランキングが存在し、主要ツアーでは公式にトップ選手が発表されています。
例えば、PPAツアーの公式サイトでは、アナ・リー・ウォーターズやベン・ジョンズ、キャサリン・パレントーといったトッププロたちが世界ランキング上位として紹介されています。
つまり、ピックルボール界でも他のスポーツ同様、「世界何位」という概念がしっかり存在しているのです。
ただし注意したいのは、ピックルボールの世界ランキングは現時点で一本化された単一のシステムではないという点です。
ピックルボールは急成長中の新興スポーツで、ランキングの仕組みもまだ発展途上にあります。

現在はいくつかの団体やシステムが独自にランキングを発表しており、どのランキングを指すかによって順位が異なる場合があります。


ピックルボールの世界ランキングはどの組織が決める?
現状、ピックルボールのプロ選手ランキングを決定・管理している組織やシステムはいくつか存在します。
一言で「世界ランキング」と言っても複数の種類があるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。


PPAツアーのピックルボールランキング
PPA(プロフェッショナル・ピックルボール・アソシエーション)はアメリカを中心とした主要なプロツアーの一つで、契約選手も多く含む団体です。
PPAツアー独自のポイント制度に基づくランキングを発表しており、過去52週間の成績による「52週ランキング」と年間累計の「レースランキング」の2種類があります。
大会のグレード(「スラム」は優勝2000点、「オープン」は1000点など)に応じて獲得ポイントが定められており、選手は大会で勝ち進むほど多くのポイントを得ます。
PPAランキングはPPAツアーの大会で獲得したポイントのみが反映されるため、PPAと契約していない選手は基本的に含まれません。
例えばタイソン・マクガフィン選手はPPA専属契約のためPPA大会にしか出場せず、PPAランキングにのみ名前が載ります。




APPツアーのピックルボールランキング
APP(アソシエーション・オブ・ピックルボール・プレーヤーズ)はもう一つの主要プロツアーで、PPAと並行して全米各地で大会を開催しています。
APPも独自のポイントシステムによるランキング(「APP World Rankings」)を発表しており、男女シングルス・ダブルス・混合ダブルスそれぞれでプロ選手の順位を公開しています。
APPはプロだけでなく高レベルアマチュアにも門戸を開いており、ポイントはAPP公認大会の成績に基づいて付与されます。
ただしPPAと同様に、ランキング対象はAPPの大会に出場した選手のみとなります。
PPAとAPPはライバル関係にありトップ選手の囲い込みも行ってきたため、両ツアー間でランキングに掲載される選手が分断されているのが実情です。
例えば、APPランキングではPPA専属のベン・ジョンズ選手の名前は出てこない、といった具合です。


DUPRのピックルボールランキング
最近特に注目されているのが、このDynamic Universal Pickleball Rating、通称DUPR(デューパー)と呼ばれるレーティングシステムです。
DUPRは特定のツアーに属さない独立した仕組みで、世界中のあらゆるピックルボールプレイヤー(プロからアマチュアまで)の実力を数値化してランキング化する試みです。
アルゴリズムによって算出される3桁のレーティング(2.00〜8.00程度の値)が各選手に与えられ、対戦相手の強さ(レーティング)や試合の勝敗・スコア差まで考慮して変動します。



簡単に言えば「誰に勝ったか・負けたか」を反映するため、より選手の真の実力に近いランキングになるよう設計されています。
DUPRは無料のスマホアプリやサイトで利用可能で、試合結果を入力すると自動でレートが更新されるため、プロ以外も含めた膨大なプレイヤーデータが集積されています。
2023年からはプロ選手のレーティング上位者を「プロランキング」として発表し始めており、全ツアー横断で事実上初めて「全プロ選手を網羅した世界ランキング」を実現しつつあります。
DUPRにはベン・ジョンズ選手やアナ・リー・ウォーターズ選手らトッププロも名を連ねており、主要団体(PPAやMajor League Pickleballなど)も公式にDUPRを採用し始めています。


その他のピックルボールランキング
上記以外にも、米国統括団体のUSAピックルボール協会(USAPA)が発行するUTPR(公式大会の戦績に基づく国内レーティング)や、国際大会のみを対象にしたGPR(グローバル・ピックルボール・ランキング)などがあります。
しかしUTPRは精度の面でDUPRに劣ると指摘されており、GPRも米国ツアーに出ない選手のみのランキングで世界トップレベルを反映していないなど、現状ではあまり存在感がありません。



かつてはpickleball.com上で「World Pickleball Rankings」という統合ランキングが公開されてたけど、2022年末で更新停止となりました
現在、プロの世界ランキングとして主要なのは前述のPPAとAPPの各ツアーランキング、そしてDUPRによる総合ランキングの3つと考えて良いでしょう。


ピックルボールの世界ランキングシステムを比較
それぞれのランキングには役割や信頼性に違いがあります。
PPAやAPPのランキングは各ツアー内での地位や大会シード決定に用いられる重要な指標ですが、ポイント制ゆえに「どの大会に何度出場したか」が大きく影響します。
極端な例では、世界で最も強い選手が年4大会しか出なくても、そこそこの選手が年12大会に出て中位入賞を重ねれば、後者の方が年間ポイントで上回ってランキング上位になる可能性があります。
一方のDUPRは試合ごとの質を評価に反映するため、「強い相手に勝てば大きく評価アップ、格下に負ければダウン」といった具合に勝敗の内容がダイレクトにランキングに反映されます。
このため現在は「真の実力を測るならDUPRが最も正確」とも言われている状況です。
もっとも、DUPRはあくまで新しいレーティングシステムであり、公式タイトルや賞金が懸かるツアーとは目的が異なる点にも留意が必要です。
各プレイヤー層の対象としては、PPA/APPがプロ選手の公式戦績評価に特化しているのに対し、DUPRはプロから草の根まで含めた総合的な実力評価という違いがあります。




最後に
ピックルボールにおけるランキング制度は、プロ競技の発展とともに少しずつ形作られてきた重要な仕組みです。
ランキング上位に入ることは選手にとって大きな名誉であり、同時に大会のシード権や年間タイトル争いにも直結します。
実際、PPAツアーでは年間ランキング上位8名(またはペア)がシーズン末の最終戦への出場権を得て、文字通り「世界No.1」のタイトルを懸けて戦う仕組みになっています。


ランキングはまた、スポンサー契約やメディア露出にも影響するため、プロ選手のキャリアにおいて非常に重要な指標と言えます。
しかし現在のピックルボール界には完全に統一されたランキング体系が存在しないのも事実です。
複数の団体が別々にランキングを発表している状況は、ファンにとってやや分かりづらい面もあります。
とはいえ、近年はツアー間の協調やデータ統合の機運も高まってきました。
特にDUPRの台頭は大きく、世界中の試合結果が集約されたデータベースから算出されるレーティングは、公平性と透明性の面で評価が高まりつつあります。
将来的にはDUPRが事実上の標準指標として定着し、各ツアーもそれを参照する形でランキング制度が一本化されていく可能性もあるでしょう。



ピックルボールは歴史の浅いスポーツゆえ、ランキング制度もこれから洗練されていく段階です。



選手やファンにとってベストな形を模索しながら、より公正で納得感のある世界ランキングが整備されていくことが期待されます。
今後のプロピックルボール界では、「世界ランキング○位の〇〇選手が日本の大会に来る!」なんて日も来るかもしれません。
ランキングの行方に注目しつつ、これからもピックルボールというスポーツ自体の発展を楽しんでいきましょう。



