ユナイテッドワールドピックルボール連盟(UWPF)とは?
ユナイテッドワールドピックルボール連盟(UWPF)は、2025年に誕生したピックルボール競技の新たな国際統括団体です。
従来別々に存在していた国際ピックルボール連盟(IPF)と世界ピックルボール連盟(WPF)が2025年2月に歴史的な統合を発表し、その統合によってUWPFが設立されました。
UWPFはいわば「統合世界ピックルボール連盟」とも呼ばれる存在であり、国際大会の運営や競技ルールの統一など、世界のピックルボール界を一つにまとめる役割を担っています。
また2025年8月末には39か国による初の理事選挙が行われ、世界各地から7名の理事(ボードメンバー)が選出されました。

UWPFの掲げる使命は、ピックルボール競技の国際的な普及と競技レベルの向上、そしてオリンピック正式種目化に向けた取り組みです。
実際、UWPF傘下のアジアピックルボール連盟(AFP)は2025年5月にアジアオリンピック評議会(OCA)への加盟申請を完了しており、アジア地域における普及活動も加速しています。

UWPFの発足により、ピックルボールを将来的にオリンピックの舞台へ押し上げるための国際的な動きが本格化していると言えるでしょう。


ユナイテッドワールドピックルボール連盟(UWPF)の初代理事一覧
UWPFの初代ボードメンバー(理事)には世界各国・地域から以下の7名が選出されています。
- リオダン・リカ(日本) – ピックルボール日本連盟(PJF)副理事長
- ミゲル・モンターニョ・フレイレ(スペイン)
- アレン・ゼン(中国)
- ジュリア・ソレシナ(イタリア)
- ジミー・タン(アジア地域)
- キム・ジャニス・ワグナー(南アフリカ)
- ケルビン・イー・リー・ウエン(マレーシア)
いずれも各国のピックルボール界を代表する有識者であり、UWPFはこのグローバルな理事会によって運営がスタートしました。


UWPFとGPF(国際ピックルボール連盟)の違いとは?
一方、GPF(Global Pickleball Federation)はUWPFとは別に存在するもう一つの国際ピックルボール連盟です。
GPFはアメリカやカナダ、オーストラリアなどピックルボール先進国が中心となり、2023年11月に約28か国の国内連盟が結集して発足しました。
日本語では「世界ピックルボール連盟」と呼ばれることもあり、その設立目的は文字通り「ひとつの国際連盟」として世界のピックルボール界をまとめることにありました。
事実、GPFは設立から急速に加盟国を増やし、現在では北米・欧州・アジア・アフリカ・オセアニアの各地域から60か国以上が加盟しています。
これは世界の競技人口の約95%をカバーする規模で、ピックルボール界の「ワンボイス(一つの声)」となることを目指して活動している点が大きな特徴です。


UWPFとGPFの最大の違いは、その成り立ちと加盟団体の背景にあります。
UWPFは前身となる既存団体(IPFおよびWPF)の統合によって生まれた組織であり、各大陸連盟(アジア、欧州、北米など)との協調関係を元々築いてきた経緯があります。
一方のGPFは、当時の既存団体とは別にUSAピックルボール(米国協会)をはじめ主要国が主導して立ち上げた新連盟という経緯があります。
例えばUSAピックルボールやカナダなどは旧IPFから離脱してGPF設立に加わった経緯があり(カナダと豪州の国内連盟が中心となって発案)、GPF理事会にはそれら主要国の代表者が名を連ねています。
対するUWPFの理事にはアジアやアフリカを含む多様な地域の代表が含まれており(上述の初代理事一覧参照)、まさに「全世界の統合」を掲げている点が特徴と言えるでしょう。
もっとも、両者の目指す方向性は共通しています。
GPF・UWPFともにピックルボールの国際的な発展とオリンピック正式種目化を最大のゴールに掲げており、そのために必要なIOC(国際オリンピック委員会)承認基準の順守やWADA(世界アンチドーピング機構)コードの導入など、ガバナンス面でも共通の取り組みを進めています。
2025年6月にはUWPF側(IPF/WPF統合側)がGPFとのさらなる統合も視野に協議を開始しており、国際団体の一本化、真の「ワンボイス体制」に向けた動きも始まっています。



互いに競い合っていた団体同士が手を取り合うことで、ピックルボール界全体がより強固な連携を築きつつあるのです✨️


最後に
ピックルボール界では、UWPFの発足とGPFの台頭により、かつて複数に分かれていた国際団体が今まさに一つの方向にまとまりつつあります。
国際連盟が協調してルール作りや大会運営を進めることで、選手やファンは世界中どこにいても同じ基準でピックルボールを楽しめるようになるでしょう。
また、国際団体間の政治的な争いが解消され一本化が進めば、IOCにとってもピックルボールという新競技を承認しやすくなると期待されています。
実際、GPFのハビエル・レガラード会長は「オリンピックへの扉はすでに開かれている。未来へ踏み出す時が来た。それも皆で一緒にだ」と述べ、世界中のピックルボール関係者に団結と協力を呼びかけました。
まさにピックルボールをみんなでオリンピックの舞台へ届けようという熱いビジョンが共有され始めているのです。
GPFとUWPFという二つの団体が歩み寄り一体となることで、ピックルボールが近い将来オリンピック正式種目として実現する日も決して夢ではなくなってきています。
世界のピックルボールコミュニティが一丸となって前進する今後の動きに、ぜひ注目していきたいですね。





