ピックルボールパドルの「コア」って何?ハニカムコアとフォームコアの違いもわかりやすく徹底解説

ピックルボールパドルの「コア」
目次

ピックルボールパドルの「コア」とは?

ピックルボールパドルのコアとは、パドル内部にある芯材(コア素材)部分のことです。

基本的にパドルは両面のフェイス素材でコアを挟み込むサンドイッチ構造になっており、この内部コアがパドルの性能の「心臓部」と言えます。

コアの構造によってパワー(反発力)やコントロール性能、打球感、重量バランスなどが大きく変わります。

ピックルボールパドルで一般的なコア構造は、蜂の巣状の空洞が並んだ「ハニカムコア」です。

まるでミツバチの巣のように六角形のグリッド(格子)が内部に詰まっており、軽量かつ高い剛性を生み出します。

一方、近年登場した新技術が「フォームコア」で、こちらは内部が隙間なく発泡体(フォーム素材)で埋め尽くされた構造です。

簡単にわかりやすく言えば、ハニカムは「中がスカスカの蜂の巣みたいな構造」、フォームは「中がぎっしり詰まったスポンジのような構造」です。

■フォームコアを採用したパドルの一例(Vatic Pro社のV-Solモデル)

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この記事ではピックルボールパドルのコア素材の違いではなく、「ハニカム状のコア」なのか「フォーム(発泡体)のコア」なのかという構造的な違いに焦点を当てて解説します。

コア構造の違いを理解すれば、パドル選びで自分に合った性能のモデルを見極めやすくなります♪

ピックルボールパドルのハニカムコアとフォームコアの違い

結論から言うと、ハニカムコアとフォームコアの違いは内部構造の設計にあります。

その構造上の違いから、パドルの性能や料金などにも差が生まれます。

  • 内部構造の形状
  • 耐久性と寿命
  • スイートスポットの広さと打球の安定性
  • 打球感・振動吸収
  • パワー(反発力)とボールの飛び
  • 重量・カスタマイズ性・価格

内部構造の形状

ハニカムコアは六角形の格子(蜂の巣状セル)が連結した空洞構造で軽さと剛性を両立しています。

一方、フォームコアは内部が隙間なく密度の高いフォーム材で埋め尽くされているため、空洞部がありません。

簡単にわかりやすく言えば、ハニカムは「中がスカスカの蜂の巣みたいな構造」、フォームは「中がぎっしり詰まったスポンジのような構造」です。

「コアの構造」と「コアの素材」は混合されがちなので、この部分を理解していないとパドル選びで失敗する可能性が高まります。

同じハニカム構造でも素材にはポリマー(ポリプロピレン)や紙を樹脂加工したノーメックス、アルミニウムなど様々あります。

耐久性と寿命

ハニカムコア(特にポリマー製)は長く使うと格子部分が潰れたり接着が剥がれたりして、いわゆるデッドスポット(特定箇所で反発が落ちる現象)やコア割れが発生しやすくなります。

一方フォームコアは空洞がない分弱点が少なく、潰れや剥離が起こりにくい構造です。

そのためフォームコアパドルは使用による性能劣化が極めて少なく、長期間一貫した性能を維持できるとされています。

スイートスポットの広さと打球の安定性

ハニカム構造では内部に空間があるため、打点によってはエネルギーロスが起きやすく、特にエッジ付近では反発が落ちスイートスポットが限定的です。

フォームコアはコア全体が埋まっているため面全域で均一な反発が得られ、死角のない広いスイートスポットを実現します。

フォームコア製のパドルは、どこに当たっても安定した飛びを感じやすいです✨️

打球感・振動吸収

ハニカムコアは素材や厚みによりますが、一般にシャープな打球感や硬めのフィーリングになりがちです(特にノーメックスや薄型コアの場合)。

フォームコアは素材自体が発泡体で柔軟性があるため非常にソフトでマイルドな打球感です。

振動吸収性にも優れ、ボールの衝撃をフォームが吸収・分散してくれるため、肘や手首への負担が軽減されます。

テニス肘対策や長時間プレーで腕への優しさを求める人にはフォームコアが有利です!

パワー(反発力)とボールの飛び

ハニカムコアは構造が硬めな分、瞬間的な反発(いわゆる初速の“弾き”)が得られやすいです。

特にノーメックスハニカムや薄いコアは高い反発力を生み、スマッシュなどでボールを一気に飛ばすパワー系のプレーに向いています。

フォームコアは素材が柔らかいぶんボールの食いつきが良くコントロール性は高い反面、即座の強い反発(跳ね返り力)は抑えめになる傾向があります。

そのため「フォームコアはパワー不足では?」という声も当初ありましたが、最新モデルではフォームの密度や内部構造を工夫し十分なパワーも出せるよう改良が進んでいます。

ただし現状でも、瞬発的な強打や攻撃的なプレーを最優先するハードヒッターの中には従来ハニカムコアの打感を好む人もいます。

重量・カスタマイズ性・価格

ハニカムとフォームそのものの比重は製品によりますが、構造上フォームコアは空洞がないぶん若干重めになりやすいという指摘があります(同サイズ・厚みなら材料充填量が多いため)。

もっとも競技用モデルではどちらの構造でも平均7.5~8.5オンス程度に収まるよう設計されているため、大差はありません。

一方、フォームコアパドルは内部が均一素材のため、鉛テープを貼っても重量バランスの変化が従来品より小さい(チューニング効果が限定的)とも言われます。

価格面では、フォームコア採用モデルは総じて高価です。

先端技術ゆえ製造コストが高く、ほとんどが2万円~3万円超(200ドル以上)のプレミア価格帯になります。

対してハニカムコアのパドルは1万円以下の入門用からプロモデルまで幅広く、1万5千円前後でも高品質なものが手に入ります。

予算重視なら現時点では依然ハニカムコアに分がありますね

それでは次に、それぞれのコア構造の特徴をさらに詳しく見ていきましょう。

ピックルボールパドルの「ハニカムコア」の特徴

ハニカムコアは、けっこう昔から使われてきたピックルボールパドルの伝統的なコア構造です。

内部が蜂の巣状(六角形)の小さなセル(空洞)で埋め尽くされたこの構造は、軽量で強度も高いのが特徴。

航空宇宙分野や建材でもお馴染みのサンドイッチパネル技術で、少ない材料で効率よく剛性を確保できるため、パドルにおいても理にかなった構造と言えます。

ハニカムコア製パドルに使われる素材

ピックルボールパドルのハニカムコアに使われる素材には主に以下があり、それぞれ特徴があります。

  • ポリマー(ポリプロピレン)
  • ノーメックス(Nomex)
  • アルミニウム

ポリマー(ポリプロピレン)ハニカムコア

現在最も一般的なコア素材です。

柔軟なプラスチック製でソフトな打球感と高いコントロール性能、そして比較的静かな打球音が得られます。

耐久性は程々ですが、使用とともに少しずつ弾きが落ち着いて扱いやすいフィーリングになります。

多くのメーカーの主力モデルが採用しており、SelkirkJOOLADiademEngageCRBN(※従来シリーズ)などプロ使用モデルの大半はポリマーコアと言ってよいでしょう。

厚みは13mm前後(薄型)だと反発力が鋭く、16mm前後(厚型)だとよりコントロール重視の特性になります。

初めてコアに迷う場合、とりあえずポリマーコアを選べば大きな失敗は少ないです!

ノーメックス(Nomex)ハニカムコア

ボール紙のようなアラミド繊維素材を樹脂で硬化させたコアです。

元々航空機向けの素材だけあり非常に硬く反発力が高いのが特徴。

その分打球音は「パキン!」と甲高く大きめで、硬質な打感を好むパワープレーヤー向きです。

耐久性も高く、ハードヒットしても長持ちします。

ただし硬いぶん繊細なコントロールやソフトなタッチではポリマーに劣り、近隣への騒音配慮が必要な場所では敬遠されることがあります。

有名モデルではOnix(オニックス)のOnix Z5(グラファイト面+Nomexコア)が代表で、その強烈な弾きと音の大きさは一種のレジェンドです✨️

またPROLITE社Engage社の一部パドルにもNomexコア採用モデルがあります💡

アルミニウムハニカムコア

金属製の蜂の巣構造コアです。

非常に軽量で、ボールを吸い付けるようなソフトなフィーリングとコントロール性能を発揮します。

反面、打球の反発は控えめで、強打よりも置きに行くような繊細なプレー向けです。

素材としての耐久性は高いものの、激しい衝撃が加わるとセルが歪んでしまうこともあり、長期間ハードに使うとへたりが出る場合があります。

現在アルミコアを採用するモデルは多くありませんが、かつてGamma社Selkirk社から発売されたアルミコアパドルはコントロール重視のプレーヤーに愛用された経緯があります。

このように、一口にハニカムコアと言っても素材や厚みによって性能は様々にチューニングできます。

メーカー各社もセルの大きさや密度を変えたり、厚みを調節したりして独自の打球感を実現しています。

例えば、「セルの大きさが大きいほど反発力が高く、小さいほどコントロール性が高い」「16mm厚コア+カーボン面で面安定性とスピン性能を両立する」「13mm薄コア+グラスファイバー面で食いつきを良くし高速ショット向きにする」など、組み合わせによる工夫が盛んです。

ハニカムコア製パドルのメリット

ハニカムコア製パドルは長年使われてきた実績があり、製品の選択肢が豊富で価格帯も幅広いことが大きな利点です。

性能面でもパワーとコントロールのバランスが良く、オールラウンドに扱いやすい特性があります。

またパドルの軽量化に有利で、素早い操作性を確保しやすいです。

製造技術が確立しているため品質も安定しており、買ってすぐ大きなハズレを引くリスクが低い点も安心材料です。

ハニカムコア製パドルのデメリット

ハニカムコア製パドルのデメリットは、使い込むと内部構造の劣化で性能が落ちることです。

特に週に何度もプレーするようなアクティブなプレーヤーだと、数ヶ月~1年程度で「打球に鈍さを感じる」「特定の場所で跳ねなくなる」といったコアの消耗が起きやすくなります。

実際、海外のある競技者は「ポリマーコアパドルを2年で3本も買い替えた(デッドスポット発生のため)」と語っています。

ハニカムコアでは避けられない宿命・・定期的な買い替えは前提となりそう

ピックルボールパドルの「フォームコア」の特徴

フォームコアは、パドル内部をEVAフォームなど特殊な発泡素材で完全に満たした最新のコア構造です。

その狙いはズバリ、ハニカム構造の弱点を克服することにあります。

フォームコア自体は以前からテニスラケットやスキー板などで使われてきましたが、ピックルボールパドルへの本格的応用はごく最近です。

海外メーカーが次々とプロトタイプを発表し、現在では数社が市販モデルを展開しています。

フォームコア製パドルのメリット

  • フォームコア製パドルの耐久性
  • フォームコア製パドルの打球の安定性
  • フォームコア製パドルの振動減衰性

フォームコア製パドルの耐久性

フォームコア最大の特徴は、なんといっても耐久性の高さです。

内部が均一な素材で埋まっているため、使い込んでもコアが潰れたり剥離したりしにくく、新品時の性能が長持ちします。

メーカー各社はフォームコアに絶対の自信を見せており、「数年間使っても性能劣化しない」「一部モデルではコアの永久保証まで提供」といったアピールをしています。

プレーヤー側から見ても「ポリマーコアは半年でヘタったのに、フォームコアに替えたら8ヶ月経っても初日のようだ」といった驚きの声が上がっています。

頻繁にパドルを買い替える負担が減るのは大きな利点です♪

フォームコア製パドルの打球の安定性

次に打球の安定性です。

フォームコアはパドル面全体に素材が詰まっているため、どこに当たっても反発が安定しています。

特に従来デッドスポットになりがちだった先端部やエッジ付近でもフォームがしっかり支えてくれるため、「明らかにスイートスポットが広がった」と感じるプレーヤーが多いです。

芯を外したときのミスが減り、パドル全体で一様な打感が得られるのはフォームコアの大きなアドバンテージです✨️

フォームコア製パドルの振動減衰性

さらに振動減衰性に優れています。

フォーム素材自体がクッションの役割を果たし、ボール衝突時の衝撃を吸収してくれます。

その結果、手に伝わる振動が少なく肘や手首へのダメージが軽減されます。

特に慢性的なテニス肘に悩むプレーヤーや、長時間プレーする方には嬉しい特性です。

また打球音も比較的マイルドで低めの音になる傾向があり、ポリマーコア同様に近隣迷惑になりにくい点も評価できます。

フォームコア製パドルのデメリット

  • フォームコア製パドルの打球のパワーや反発力
  • フォームコア製パドルの価格
  • フォームコア製パドルの技術的な信頼性

フォームコア製パドルの打球のパワーや反発力

フォームコア製パドルのデメリットとして、まず指摘されるのが打球のパワーや反発力です。

フォームコアは柔らかい打感ゆえに、初期のモデルでは「ボールがあまり跳ねず、強打しても伸びに欠ける」という声がありました。

特にハードヒット型の上級者にとっては、従来のハニカムコア(特に反発の強い薄型ポリマーやNomex)の方が楽に決定力を出せるという印象があったようです。

しかしフォームコア技術も急速に進歩しており、最近のモデルではフォームの密度や内部構造を工夫して反発性能を高めたものが登場しています。

たとえばCRBN社は「TruFoam™」という高密度フォームを開発し、従来のハニカムに引けを取らないパワーと安定性を両立したと謳っています。

実際、最新のCRBN TruFoamシリーズは同社従来モデルよりもパワーアップしており、それでいてコントロール性も高いバランス型に仕上がっています✨️

このようにフォームコアでもパワーとコントロールのチューニング次第で両立が可能であることが示されつつあります。

フォームコア製パドルの価格

もう一つの課題は価格です。

フォームコアを採用したパドルは軒並み高価で、先端素材の塊だけあって製造コストが跳ね上がっています。

市販されているフォームコアモデルの多くは定価で300ドル前後(日本円で3~4万円)と、従来パドルの2倍近い価格帯です。

例えばCRBNのTruFoam Genesisは約280ドル、Selkirk LabsのProject 008も数万円規模でした。

高耐久で長く使えるメリットはあるものの、まずは手に入れるハードルが高いのが実情です。

ただしこれは今後普及が進み量産効果が出れば、徐々に価格も下がってくる可能性があります。

フォームコア製パドルの技術的な信頼性

また、フォームコア製パドルは技術的な信頼性も発展途上です。

初期に発売されたフォームコア製パドルの中には、接着や構造の問題でフェイスとコアの剥離(ディスボンディング)が発生した例があります。

実際、先駆け的存在だったVatic Pro社の「V-Core」パドルは多発する剥離トラブルにより市場から一時回収されました。

ただし他メーカーでは今のところ大きな問題報告はなく、Vatic Proの件は単なる材料品質の問題だったとの見方もあります。

いずれにせよ新技術ゆえのリスクはゼロではなく、各社が試行錯誤している段階とも言えます。

フォームコア採用パドルの代表例

現在市場に出ているフォームコアモデルとして、有名どころを挙げます。

  • CRBN「TruFoam Genesis」シリーズ
  • Selkirk Labs「Project 008」
  • Vatic Pro「V-Core」シリーズ
  • Body Helix「F1 フリック(Flik)」
  • Kiwi Labs「Circuit」デュアルフォーム

CRBN「TruFoam Genesis」シリーズ

世界初のフルフォームコア(100%フォーム)採用の競技用パドル。

厚さ14mmで、独自フォーム素材TruFoam™を使用。

弱点となる空洞や接着面を無くし、耐久性・安定性・コントロール性能を高次元で両立しています。

価格は高めですが、「将来のスタンダードになる」と期待される一品です。

Selkirk Labs「Project 008」

大手Selkirk社の研究開発部門LABSによるプロトタイプ的パドル。

複数の厚みバリエーション(10mm、13mm、16mm)でフォームコアを試しており、特に16mmモデルは驚くほどソフトなフィーリングが特徴です。

反発力は控えめでコントロール特化のため、パワー系には物足りないとの声もありますが「ドロップショットやソフトゲームには最高」と評価されています。

Vatic Pro「V-Core」シリーズ

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Vatic Pro「V-Core」シリーズは、低価格帯ながらフォームコアを採用し話題を呼びました。

100ドル程度で買えるフルフォームコアという触れ込みでしたが、前述のように初期ロットで剥離問題が起こり一時販売中止に。

しかしフォームコアの可能性を一般層に知らしめた功績は大きく、現在は改良版もリリースされ日本でも評判になっています。

Body Helix「F1 フリック(Flik)」

アメリカのBody Helix社によるミッドレンジ(中価格)フォームコアパドル。

CRBNほどではない価格ながら、フォームコアならではのソフトな打感と安定性能で高評価を得ました。

レビューアーから「フォームコアの未来を感じさせる一品」と称され、フォーム採用モデルの可能性を示した製品です。

Kiwi Labs「Circuit」デュアルフォーム

ニュージーランド発のKiwi Labs社によるフォームコアモデル。

T700カーボン面+熱圧着構造で、デュアルフォームコア(二重フォーム層)を特徴としています。

高耐久フォームとパワーとの両立を図った意欲作で、「フォームコアでも攻撃的なプレーに対応できる」とアピールされています。

総合すると、フォームコアは「耐久性・安定性・フィーリング」において画期的なメリットをもたらす技術です。

一方で「価格」「パワー面」「実績の蓄積」という点ではまだ発展途上と言えます。

現時点でフォームコアパドルを試すべきなのは、頻繁にプレーしてパドルの寿命に不満がある人、腕への衝撃を減らしたい人、コントロール重視でプレーする人などでしょう。

逆に、とにかく強烈なパワーが欲しい人や最新技術に高額を払うことに抵抗がある人は、もう少し技術成熟と価格低下を待つのも一手です。

ピックルボールパドルの「コア」の進化の歴史

  • ピックルボール創生期(1960年代~70年代)
  • 1980年代にハニカムコア製パドルが誕生
  • 1990年代~2000年代にかけてハニカムコア製パドルが主流に
  • 2000年代後半から2010年代にパドルの性能がさらに向上
  • 第3世代(gen3)の新しいピックルボールパドルが登場
  • 第4世代(gen4)の「フォームコア」パドルが登場

ピックルボール創生期(1960年代~70年代)

ピックルボール創生期(1960年代~70年代)、パドルのコアという概念はまだありませんでした。

当時のパドルは木製で厚みも薄く、内部に特別な芯構造を持たないただの板ラケットでした。

1980年代にハニカムコア製パドルが誕生

その後1980年代に入ると技術革新が起こります。

1984年、ボーイング社の技術者だったアルレン・パラント氏が世界初の複合素材ピックルボールパドルを発明しました。

彼は航空機の床材に使われていたグラスファイバー/ノーメックスハニカムパネルを流用し、パドル内部にノーメックス製ハニカムコアを採用したのです。

最初に1,000本のハニカムコアパドルが作られ、これが現在のパドル技術の原点となりました。

1990年代~2000年代にかけてハニカムコア製パドルが主流に

その後、1990年代~2000年代にかけてハニカムコアが主流となり、素材のバリエーションも増えていきます。

耐久性とパワーに優れたノーメックスコア、軽量でソフトな打感と静音性を実現するポリマー(ポリプロピレン)コア、軽量でコントロール性能が高いアルミニウムコアなど、それぞれ素材の特性を活かしたハニカムコアが登場しました。

中でもポリマー製ハニカムコアは音が静かで柔らかいタッチのため人気が出て、現在では最も一般的なコアになっています。

実際、近年コートで見かけるパドルの大半はポリマーハニカムコアと言っても過言ではありません。

2000年代後半から2010年代にパドルの性能がさらに向上

2000年代後半から2010年代に入ると、パドルの性能追求はさらに進みます。

カーボンファイバーやグラスファイバーなど高機能なフェイス素材が導入され、コアも厚みを増した設計が増えました。

例えば従来13mm前後だったコア厚が16mm前後の厚めになることで面ブレが減りコントロールが向上し、ブロックやドロップショットが安定すると分かり、一部ハイエンドモデルで厚型コアが採用されるようになりました。

Selkirkの「Amped」シリーズやPaddletekのモデルなど、厚さ16mm級ポリマーコアでコントロール性能を高めたパドルが2017~2018年頃から普及していきました。

また、ギアボックス(Gearbox)のように特殊な例も現れました。

Gearbox社は従来のハニカム構造を使わず、炭素繊維の中空リブ構造によるソリッドカーボンコアパドルを開発しました。

これはコア自体がカーボンの塊状でハニカム構造ではなく、卓球ラケットに近い独自構造です。

Gearboxの成功は少数派ではありますが、コア構造の多様化を象徴する出来事です。

さらに進化したハニカムコアパドル(Gen2, Gen3)が登場

2020年代に入るとパドル技術はさらに加速し、「第2世代(gen2)」「第3世代(gen3)」と呼ばれる新コンセプトが登場します。

トレンドの一つがサーモフォーム(熱圧着)加工コア周辺へのフォーム注入でした。

JOOLAVatic Proといったブランドはパドルの周囲部分にフォーム材を注入し、従来のハニカムコアの弱点だったエッジ近くのパワーロスや耐久性低下を補強しました。

この構造によりスイートスポットの拡大とフレーム強度向上が図られ、高性能パドルとして注目されました。

第4世代(gen4)のフォームコアパドルが登場

そして第4世代(gen4)とも言われる革新的なコア、「フォームコア」の登場です。

フォームコアとは前述の通りパドル内部全てを特殊フォーム素材で満たした構造で、2023年前後から本格的に市販モデルが出始めました。

これは従来のハニカム(ポリマーコア)の問題であった経年劣化(コア潰れやデッドスポット、表面との剥離)を根本から解決しようという試みです。

初期のフォームコア搭載パドルとしてはCRBN社の「TruFoam Genesis」シリーズ(初のトーナメント承認フルフォームコア搭載パドル)や、低価格帯で話題になったVatic Pro V-Coreシリーズなどが挙げられます。

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Selkirk社も実験的にProject 008というフォームコアパドルをLabs部門から発売し、老舗ブランドとしてフォーム技術に挑戦しました。

このように、ピックルボールパドルのコア構造は木製→ハニカム構造→ハニカム+新技術(厚型・フォーム補強)→フォーム構造へと進化を遂げています。

特にこの10年ほどで進化のスピードは飛躍的で、パドル内部にはロケットやサーフボードにも使われる素材が使われ、ついにフォームコアのような全く新しい発想も生まれています。

今まさにコア構造の変革期と言え、各メーカーが次世代の標準を模索している状況です。

最後に

ピックルボールパドルの「コア」について、ハニカムコアとフォームコアの構造の違いを中心に解説してきました。

ハニカムコアは長年愛用されてきた信頼の構造で、素材や厚みを調整することでパワーからコントロールまで幅広いニーズに対応できる汎用性があります。

一方、フォームコアは生まれたばかりの新技術ながら、耐久性の飛躍的向上やスイートスポット拡大といったメリットで従来構造を凌駕し得るポテンシャルを秘めています。

「結局どっちが良いの?」という疑問もあるかもしれませんが、現状では用途やプレイヤーの好みによって選択肢が分かれるというのが正直なところです。

週5日プレーするような熱心な方であれば寿命の長いフォームコアは魅力的でしょうし、パワフルなスマッシュやドライブショットを武器にする方なら実績あるハニカムコア(厚さや素材で調整可能)に安心感があるでしょう。

価格面や入手性も含め、自分の優先順位に沿って検討することをおすすめします。

技術のトレンドとしては、フォームコアを含む第4世代(Gen4)パドルは「将来の主流になる」と期待する声も大きいです。

ただし専門家は「フォームコアがハニカムコアを完全に置き換えるか、それとも共存していくかはまだ分からない」とも述べています。

まさに今は過渡期であり、各メーカーがフォームコアのパワー向上やコスト削減に取り組んでいる段階です。

今後数年でさらなる改良版が登場し、フォームコアが今以上に進化する可能性も十分あります✨️

P.S.

パドル選びで失敗しないためには、こうしたコア構造の違いを理解し、自分のプレースタイルや重視ポイントにマッチするものを選ぶことが大切です。

ハニカムコアとフォームコア、それぞれ一長一短がありますが、この記事の解説が皆さんの判断材料になれば幸いです(^^)

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