ピックルボールパドルの持ち方(握り方)は、フォーム以上にショットの質を左右します。
特にソフトテニス経験者が気になりやすいのが、ウエスタングリップ(Western grip)。
ウエスタングリップは、フォア側でパドル面がやや被さりやすい(閉じやすい)握り方。
トップスピン系のドライブが気持ちよく打てる一方、ピックルボール特有のキッチン周りの繊細な攻防ではクセも出ます。

ピックルボールパドルの持ち方はウエスタングリップだと不利なの?
結論から言うと、「常にウエスタン一本」だと不利になりやすい場面があるけれど、使いどころを選べば武器にもなる。そんな立ち位置です。


ピックルボールにおけるウエスタングリップのデメリット
- キッチン戦で融通が利きにくい
- バックハンドが弱点になりやすく、グリップチェンジの負担が大きい
- 低いボールがしんどい、スライス/バックスピンも難しめ
- 初心者・中級者の伸び悩みポイントになりやすい
キッチン戦で融通が利きにくい
ピックルボールはダブルスの試合が圧倒的に多く、得点の多くがキッチン付近の
- ディンク(短く落とす)
- ブロック(速い球を受け止める)
- リセット(守備的に柔らかく返して立て直す)
といったネット前のキッチン戦で動きます。
ところがウエスタングリップはパドル面が閉じやすく、短いボレーやディンクでの角度・タッチの微調整が難しくなりがち。
結果として、ネットに刺さったり、逆に無理に面を開こうとしてミスが増えたりします。
海外メディアでも、ウエスタンはトップスピンの利点がある一方で、ディンクや短いボレーでのコントロール/精度が出しづらい点がデメリットとして挙げられています。


バックハンドが弱点になりやすく、グリップチェンジの負担が大きい
ウエスタングリップ最大の“あるある”はこれです。
バックハンドが打ちにくい → 握り替えたくなる → 速い展開で間に合わない。


低いボールがしんどい、スライス/バックスピンも難しめ
ピックルボールは相手に足元へ沈められる場面が多く、“低い球の処理”が勝敗に直結します。
ところがウエスタングリップは、低い打点で面の管理がシビアになりやすく、さらにスライス(バックスピン)系の球が作りにくいです。
初心者・中級者の伸び悩みポイントになりやすい
ウエスタングリップはハマると強い反面、基礎の段階では
- ミスの原因が「足」なのか「面」なのか分かりにくい
- バック側の処理が後手になりやすい(特にシングルスは厳しい)
という形で、上達のボトルネックになることがあります。
英語圏の解説でも、ウエスタンを主戦グリップにするプロは多くない、初心者には推奨されにくい、というトーンが一般的です。




ピックルボールにおけるウエスタングリップのメリット
- トップスピンが“かけやすい”=ドライブが武器になる
- 高い打点の処理がラクになりやすい
- ベースライン寄りの展開(シングルス/深いラリー)では刺さることがある
- 「セミウエスタン」寄りなら、サーブやドライブの回転量アップに繋げやすい
トップスピンが“かけやすい”=ドライブが武器になる
ウエスタングリップ最大の魅力は、やはりここ。
面が閉じやすい握りは、スイング軌道を上方向に作りやすく、トップスピンを強くかけたドライブが作りやすくなります(いわゆる“重い球”)。


高い打点の処理がラクになりやすい
相手のロブやバウンド後に浮いた球など、打点が高い場面では、ウエスタングリップの“被せやすさ”がプラスに働きます。


ベースライン寄りの展開(シングルス/深いラリー)では刺さることがある
ダブルス中心のピックルボールでも、
- 深いリターン → サードショットがドライブ寄り
- 相手を下げてから前へ詰める
という“奥行き”の戦いは確実に増えています。
ウエスタングリップは、こうした局面でトップスピンの深いボールを作りやすく、相手の体勢を崩すのに役立ちます。


「セミウエスタン」寄りなら、サーブやドライブの回転量アップに繋げやすい
ここは重要ポイントです。
実戦では、フルのウエスタンよりも、少し薄めのセミウエスタン(Semi-Western)を使う人が多い傾向があります。
アメリカのコーチも、サーブで回転と安定感を出すためにセミウエスタンやイースタンを推す流れがあり、トップスピンを“道具として使う”発想が広がっています。
この記事のテーマはウエスタングリップですが、初心者・中級者が「ウエスタンの旨み」を安全に取り入れるなら、まずはセミウエスタン寄りから試すのが現実的です。
最後に
ピックルボールにおいて、ウエスタングリップは不利か?
答えは「場面を選ばず握り続けると不利になりやすい。でも、使いどころを絞れば強い」です。
初心者・中級者向けに、超実践的な着地を提案するとこうなります。
- 基本(キッチン周り)はニュートラル寄り(コンチネンタル〜イースタン)で“受け”と“タッチ”を安定させる
- 攻めたい時だけ(サーブ、リターン後のドライブ、浮いた球の強打)ウエスタン〜セミウエスタン要素でトップスピンを足す
- バックハンド側の不安が出るなら、まずは「握り替えの練習」か「イースタン寄りで妥協」が上達最短ルート
ピックルボールは、力比べというより“面作りと判断のゲーム”です。
ウエスタングリップを「主役」にするか「スパイス」にするか。
あなたのプレースタイルに合わせて、賢く選んでいきましょう。





