ピックルボールの「ロブ」とは?打ち方のコツは?【注意点もわかりやすく解説】

ピックルボールをするトイプードル
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ピックルボールのロブとは?

ピックルボールにおけるロブ(lob)とは、相手プレイヤーの頭上を越えてコート後方に深くボールを送り込む、高い弧を描くショットのことです。

ロブが成功すると相手を後ろに下がらせることができ、自分たちに体勢を立て直す時間を与えてくれます。

例えば守備的に追い込まれた場面で高いロブを上げれば、相手のポジションを後退させつつ、自分たちが態勢を整える余裕を作ることができます。

一方、攻撃的に使う場合は、ネット付近にいる相手の頭上を抜くことで意表を突き、直接ポイントを狙ったり相手の陣形を崩したりする目的があります。

つまりロブは時間稼ぎにも攻撃の一手にもなり得る重要なショットなのです。

初心者のうちはロブを多用する光景も見られますが、上達するほど慎重に使われるショットでもあります。

ロブは適切に使えば非常に強力ですが、使いどころを間違えると逆に相手にチャンスを与えてしまうリスクもあります。

そのため、ロブの基本と目的を正しく理解しておくことが大切です。

ピックルボールのロブの種類

一口にロブと言っても、状況や狙いに応じていくつかの種類があります。

ここでは代表的なロブの種類とその特徴・使い分けを紹介します。

  • 基本的なロブ(レギュラーロブ)
  • トップスピンロブ

基本的なロブ(レギュラーロブ)

特別なスピンをかけない通常のロブです。

高い弧を描いて相手コートのベースライン付近に落とすシンプルなショットで、基本的なフォームはラケット(パドル)を下から上に振り上げてボールを持ち上げるように打ちます。

守備的な場面で時間を稼ぎたいときなどに使われます💡

トップスピンロブ

前方回転(トップスピン)をかけたロブです。

通常のロブよりも攻撃的で、ボールにトップスピンがかかることで落下速度が速まり、バウンド後に予測しづらい軌道で伸びるのが特徴です。

相手の頭上ギリギリを狙って抜く攻撃的なロブで、上手く決まればリターンは非常に困難になります。

上級者同士の試合やプロの試合でもトップスピンロブが効果的に使われる場面がしばしば見られます。

スライスロブ

バックスピン(後ろ回転)をかけたロブです。

ボールの下側を切るようにして打つことでゆるい後ろ回転がかかり、高く上がったボールが落下してからあまり前に伸びずに失速するのが特徴です。

スライスロブは滞空時間が長くなるため自分たちの体勢を整える守備的ロブとして有効で、相手に追いつかれそうなときの時間稼ぎに使われます。

ただし、ボールが浮きすぎる分、風の影響も受けやすい点に注意が必要です。

高く深い守備的なロブ

相手に攻め込まれて守勢に回ったときに使うロブで、できるだけ高く深くボールを上げて相手コートの後方に落とす守備的ショットです。

相手がネット際で優位に立っている場面でこのロブを上げれば、一時的に相手の攻撃を中断させ、自分たちは陣形を立て直すことができます。

非常に高い弧を描くため相手にボールが落ちてくるまでの時間を与えてしまいますが、その間にこちらも態勢を整え次の守備に備えることができます。

追い込まれたときの苦肉の策ではありますが、状況によっては最善の選択肢となり得るロブです。

以上のように、ロブには用途やかけるスピンによってさまざまな種類があります。

試合中の状況に応じて使い分けることで、ロブショットをより効果的に活用できるでしょう。

ピックルボールのロブの打ち方のコツ

それでは、ピックルボールでロブを上手く打つためのコツを見ていきましょう。

フォームのポイントや効果的に使うための戦術面のヒントを押さえて、練習に活かしてみてください。

チャンスを見極める

ロブは相手が前に詰めているときほど効果的です。

例えば相手がノンボレーゾーン(いわゆるキッチン)付近で前のめりになっている瞬間が狙い目です。

相手が前に出て油断している隙にロブを上げれば、不意を突いて相手の頭上を抜くことができます。

トップスピンをかける

可能であればボールにトップスピンをかけてみましょう。

トップスピンのかかったロブは弧が安定し、落下後にボールが伸びるため相手にとって返球しづらくなります。

強めに振り上げて前方向への回転を与えるイメージで打つと良いでしょう。

風向きを計算する

屋外でプレーする場合、風はロブの成否を大きく左右します。

基本的に向かい風のときにロブを使う方が安全です。

向かい風ならボールが押し戻されてコートに収まりやすいですが、追い風だとボールが流されてアウトになりやすくなります。

風が強い日は特にロブの高さや強さを調整しましょう。

ロブだと悟られない

ロブは相手に予測されると守られやすいショットです。

打つときはなるべく相手にロブを上げると気付かれないよう工夫しましょう。

具体的には、ロブを打つ直前でも膝の曲げ具合や構えを普段のドロップショットやドライブを打つときと同じように保ち、相手に「あ、ロブを上げそうだ」と読まれないようにします。

相手のバックハンド側を狙う

ロブを上げる方向も重要です。

一般的に相手の利き手とは反対のバックハンド側の頭上に上げる方が効果的と言われます。

バックハンド側にロブを送れば、相手は振り向きざまに片手のバックハンドでスマッシュするなど難しい体勢を強いられ、返球が弱くなる可能性が高まります。

これらのポイントを意識して練習していけば、ピックルボールのロブショットの成功率がぐっと高まるはずです。

最初は感覚を掴むのが難しいかもしれませんが、繰り返し練習する中で高さや深さのコントロールが身についていくでしょう。

コツを押さえて、実際にピックルボールコートでロブの練習をしてみてください✨️

ピックルボールのロブの注意点

強力なロブショットも、使い方を誤ると相手に逆襲のチャンスを与えてしまいます。

ここではピックルボールでロブを使う際の主な注意点を挙げます。

  • タイミングを誤ると危険
  • 浅いロブは厳禁
  • 相手のレベル・身体的特徴
  • 風・日光など環境の影響
  • 多用しすぎない

タイミングを誤ると危険

相手がすでに後方で待ち構えている場面や、ラリーの序盤(例えばサービス直後の第3球目など)でいきなりロブを上げても効果は薄いです。

相手に十分警戒されている状況ではロブは決まりづらく、むしろ相手にスマッシュの好機を与えてしまいがちです。

浅いロブは厳禁

ロブはしっかり相手の頭上を越え、相手コートの深い位置まで届かせる必要があります。

中途半端に浅いロブになってしまうと、相手に楽に追いつかれて強烈なスマッシュで叩き込まれてしまいます。

ロブを上げる際は「相手の頭上数十センチを越える高さ」と「相手コート後方への十分な深さ」を意識しましょう。

相手のレベル・身体的特徴

初心者や高齢のプレイヤー相手であればロブは有効打になりやすいですが、上級者や俊敏な相手には簡単に追いつかれて返球されてしまいます。

特に身長が高く腕の長い相手に対しては、よほど高いロブでない限り軽々と届かれてスマッシュされる危険が高いです。

相手の能力次第ではロブは「禁じ手」になる場合もあると心得ておきましょう。

風・日光など環境の影響

風が強い日や屋外の試合では、ロブの軌道が風に流されやすい点に注意です。

追い風ではボールが予想以上に伸びてアウトになりやすく、逆に向かい風では手前に落ちやすくなります。

また太陽の位置にも要注意で、自分が太陽を背にした状況でロブを上げると、相手は眩しくてボールを見失いやすくなります。

環境要因もしっかり計算に入れてロブを選択しましょう。

多用しすぎない

ロブばかりを繰り返していると、さすがに相手も慣れてきて次第に読まれてしまいます。

ここ一番の奇襲としてロブは効果的なのであって、頻繁に使いすぎると持ち味が薄れて危険も増します。

試合では他のショット(ドロップドライブなど)と組み合わせて、相手に的を絞らせないようにすると良いでしょう。

以上の点に注意すれば、ロブによる失敗を減らしつつ効果的にポイントを取れる可能性が高まります。

特に上級者になるほどロブへの対応力も上がってくるため、「ここぞ」という好機を見逃さずに使うことが肝心です。

最後に

ロブはピックルボールにおいて初心者から経験者まで使いどころのある奥深いショットです。

その定義や目的、種類、打ち方のコツ、注意点について見てきました。

大切なのは、ロブのメリットとリスクを正しく理解し、練習によってコントロールと判断力を身につけることです。

最初は失敗することもあるかもしれませんが、練習を重ねればロブの精度と自信も向上していくでしょう。

試合の中でロブを成功させるには、タイミングの見極めと相手の意表を突く工夫が鍵です。

普段からロブのフォームを体に染み込ませ、ここぞという場面で迷わず繰り出せるようにしておきましょう。

ロブショットを武器にできれば、守備の立て直しだけでなく攻撃の幅も広がり、ゲームメイクの選択肢が増えるはずです。

ぜひ今回紹介したポイントを参考にしながら練習に取り組み、実戦でも自信を持ってロブを活用してみてください。

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